2020/08/10 17:06

採密は、僕の場合、普通は2年に1回だ。成長の早い巣箱があると1年に1回絞ることもあるが最近ではまれになった。飼育を始めた10数年前は蜜層の成長が早く春に入れた箱は秋に採蜜していたし、名人の昔話しにも、春に新箱で飼育し始めれば秋に採蜜していたと何回も聞いたから最近の蜜源不足は確かなことだ。畑から眺める周辺の山や休耕田はソーラーパネルで敷き詰められいるからみつばちの環境の悪化は身を持って肌で感じる。それにもまして今年の梅雨は長雨のせいで花も蜜も少なかったせいで巣板の伸びが遅い。半面、コロナの影響があるのかないのか、蜂蜜を求める人が例年より多い。注文に応じようと無理な採蜜をして失敗した。原点に戻らなくては‥。

重箱型飼育箱の採蜜の基準は、巣板が重箱4段満タンに伸びた状態で最上段を1段採蜜する。重箱1段の高さは15㎝だから巣板が60㎝に伸びてから1段を採蜜するわけだ。重箱飼育の利点はたくさんある。飼育箱の観察が容易で通年の飼育を楽しむことができる。ほかに、適正な採蜜を心がけ運も味方につければ1つの飼育箱で3~5年、理論的にはもつと長く飼育し続けることができる。つまり適正採蜜した4段満タン箱の巣板の最上段は貯蜜層(蓋蜜層)で最上段だけが最良の高品質の蓋蜜がとれ、二段目に蜂の蜜をたっぷり残してやれる。最下段は産卵層で中間層は蜂児や花粉や蜜の混入層だから、失敗した今回の箱は、4段不十分の成長途中箱の最上段を採蜜したわけだ。結果、貯蜜層の蓋蜜全部を搾取してしまった。なおも育児層の一部まで破壊してしまった。結果は明らかで、蜂は怒って次の日の昼前に逃去してしまった。そして箱は

空になつた。我、未熟なり。修行が足りん。

2020.8.10  岐阜日本みつばち里山プロジェクト  安江三岐彦