2020/06/19 11:48


写真は、思わぬ高い木の枝に蜂球を形成した日本みつばちの分蜂群。捕獲用に長くて深い網に改造したタモを持って梯子を上り、まず蜂玉を網に落とし込んで降り、素早く巣箱に落として蓋をする。

では、昨日の続きを書こう。


質問者 男性Oさん 「新しい営巣場所はどうやって決めるのですか?」


答え1‥普段の僕は、「蜂球の中で候補地を決める会議をしています。1つに絞られたら飛んでいくよ」と答えているけど、全くの嘘ではないが不十分なことは否めない。とてもこの蜂日記の読者には納得してもらえないので次のように答えました。

 

答え1‥「蜂球時間はその後の安定営巣に役立つ重要なプロセスです。だから急いで巣箱に捕りこんではいけません。蜂球中は訪花中や探索中の蜂が集合する時間待ちの役割もありますが、もう1つの役割が重要です。それは、新女王が新チームの固有臭(集合フェロモン)を働き蜂一匹ごとにつけて結束を固める大切な時間になるからです。やがて全体で頭を上向きに整列し静かになれば飛び立つ準備が完了しました。この時点で巣箱に捕獲するのがベストです。」

しかし、「どうやって一つに絞るのかな?」と、あんたーまだ答えていないゾ~と納得してもらえなかったのでさらに以下に付け加えました。

 

「みつばちは家族に似た社会性昆虫で、一匹ごとに重要な役割を持ち成長に合わせて内勤から外勤へ、外勤でも更に細かく役割分担されて一生を終えます。たまたま探索の役割を負った蜂は新営巣さがしが目的だから蜜があっても目もくれずに営巣地探しに専念します。大群には沢山の探索がいて候補地は次第に絞られてきますが、群が飛び立つ段階で1つに決められているとは限りません。それぞれの候補地に誘導しあい一番探索蜂の多かった候補地に決まります。」

 

「例えば、それぞれ東西南北4か所に候補地が集約されている場合は、はじけた乱舞群はしばらくの長い時間上空を乱舞し、それぞれ4方向で綱引きのように誘導しあいます。そして1番多い数の探索蜂の候補地に少しずつ移動しまとまったら一直線で飛んでいきます。」

 

本日はここまで。又の機会に続きを書きましょう。

 

2020.6.20   岐阜日本みつばち里山プロジェクト  安江三岐彦