2020/06/13 21:35

写真は女王逃亡防止装置。この柵幅3.8ミリを巣門に装着すると働き蜂は通り抜け訪花を繰り返すことができるが、ひと周り大きな一匹の女王は柵が邪魔して通れない。よって群の逃去を防ぐ優れものである。逃亡の恐れがあるときに必要に応じて使う。女王参った‥|ハチマイッター‥名づけ親の信州日本みつばちの会に座布団一枚のグツトネーミングだ。
この優れものを認めない飼育者はいずれ飼育から去る。その共通点は優しい人、初心者、融通性欠如、頑固者で「わア、狭すぎてミツバチかわいそう‥通りづらそうだから、私、自然に任せるね」とかなんとか言って装着を拒む。そして蜂に逃げられて飼育から去る。では、装着は必須の訳を紹介しよう。
その前に、捕獲した直後のコロニーは営巣を開始するまでは逃去の可能性が高いことと、もう一つ、日本みつばちは「問題が起きると新しい営巣地に移ることで解決する習性、すなわち逃去性」を持っていることも頭に叩き込んでもらいたい。あとは応用問題だ。
では、なぜ逃去したいのか?
分蜂が近くなると多くの蜂が新しい営巣地を探しに出かける。この蜂を探索蜂という。僕は4月から3か月の間、分蜂予定箱を畑に集めて群を捕獲する。捕獲漏れや逃去群は周辺に待ち箱を設置して入れるため待ち箱の点検を欠かさない。分蜂まじかは複数の箱に探索蜂が集まり探索する。分蜂の前日や当日は50~100匹単位で激しく出入りを繰り返す。雨後の暖かい日と巣箱の分蜂日が重なると美しい感動の分蜂乱舞が見られ、やがて集蜂板に蜂球ができ、しばらくの清爽の後にはじけるような乱舞で探索蜂の誘導で新営巣地に旅立っていく。僕はその前の清爽な時に巣箱に捕獲してハチマイッターを装着し夜に遠くへ移す。もしもそのまま捕獲した場所に置くと数日は探索蜂が営巣候補地へ行けと迎えに来る。これが問題の逃去騒動だ。僕がこの問題を解決しなければ騒動は収まらない。方法は3ツ。一つは探索蜂がお迎えをあきらめるまでハチマイッターを装着し続ける。二つ目は引っ越し予定地を破壊する(実際は不可能) 三つめは景色の違う2キロ以上先へ巣箱を移動する。で、僕は1と3を組み合わせて実行しているわけだ。 続きは次回に
2020.6.14 岐阜日本みつばち里山プロジェクト 安江三岐彦