2020/05/27 20:30

写真右の3本の苗は、花が終わった鉢から取り出した株の半分を3つに分けた苗。 左4本はその半分を古い根を取り除き流水で新って分けた苗です。
金両辺(キンリョウヘン)は、中国原産の日本ミツバチの分蜂群を誘引するシンビジュウム科の蘭。この欄の花から蜜が噴出されるが普段の蜂は花に見向きもしない。ところが不思議なことに一旦分蜂(子別れ)の準備に入るコロニーの新しい営巣地を探す探索蜂は激しく花に反応する。花の香りが女王の出す集合フェロモンと同じと考えられる。したがって花の傍に待ち箱を置けば高い確率で分蜂群が入居するから僕たちの力強い味方の花だ。その分蜂シーズンも終盤で、4月の初めに咲き始めた鉢は役目を終えて庭に戻ってきている。その鉢の2割くらいは植え替えの作業をする。植え替える時期は花後の今がベストだ。
この蘭の管理は慣れれば難しくない。主にミズゴケをつかう人、軽石を使う人、その混合で栽培する人‥と、植え替える土も鉢の大きさもやり方もそれぞれ皆違うが、ラン栽培の基本を守れば花は咲くし管理は容易といえる。以下、僕の育て方を紹介しよう。
基本は5号の素焼き鉢でおおよそ2~3年後に株を崩さず一回り大きい鉢に用土を足して植え替える。これは毎年花芽が付き花の数も増えるからそれに伴って誘引力も増して役に立つ。ただし鉢の大きさに比例して重量が増し遠方の山手に置いた待ち箱まで移動させるのがつらいのが欠点で、写真の株くらいに分けつしたら又5号鉢3ツ位に分け鉢数を増やす。植え替え時期が遅れると花付きも遅れるが鉢の数が多ければ4月から6月まで役立つから開花時期にこだわって植え替えることはしない。
2020.5.26 和蜜塾 安江三岐彦