2020/05/06 11:20

写真は本体にネットをかぶせて巣箱に入れる強制送風器
前回の続き。つまりは、(巣箱を地域をまたいで移動しない隔離された特定のエリアを除いて)国内は感染地域と認識すること。間違っても「自分の巣箱は感染しない」とか「自分の蜂は耐性蜂だ」と勝手に思わないことを承知して続きを読んでもらいたい。
前に、ダニ感染箱を完治させるには特効薬は無いが対処法ならある。それはメントールか蟻酸を巣箱に投与することだと書いた。これは正しい対処法で、詳しくは前田太郎先生の公開資料を読んでもらいたい。このダニは体内で大量増殖して出て来た交尾済みのメスが次の蜂に侵入し繰り返して感染を広げる。雄は体内で死んで炭化するからみつばちの寿命を縮める。大量感染は大量死に、大量死は群の崩壊につながる。対処法は、感染蜂から出て来た雌ダニに融解臭を嗅がせること。嗅いだダニは体力を失って他の蜂に感染する前に床に落ちて死ぬ。よって感染を防ぐ。この繰り返しを1ヶ月以上続ければ感染しない蜂に入れ替えることができる。
ところが、投与の方法によって効果がかわる。融解臭は空気より重いから飼育箱の上部をスノコ上に投与すれば巣全体に融解臭が降り注ぐとか、メントールを茶パックに入れて巣底に投与すれば巣箱の温度で融解した匂いで効果が期待できるとか‥実際に数年間二つの代表的な施工を続けたが、冬期は自然融解を期待する方が無理と実感した。そして強制送風に戻ることにした。
2020.5.6 安江 三岐彦