2020/03/26 21:33
蟻とみつばち、クマとみつばち、スズメバチとみつばち‥スムシもみつばちの天敵の中に括ってもいいが、スムシは少し違う働きもする。
逃去性を性質に持つ日本みつばちは、気に入らないことがあると見切りをつけて次の営巣場所へ引っ越す。いわゆる逃去だ。環境が悪くなることが逃去の原因。環境悪化が気にいらないのは僕と同じ。騒音も、気温の変動も、天敵襲来も、農薬や悪臭も、みつばちはそれに対峙することを選ばない。とにかく次の場所に逃去してリセットし再出発する道をえらぶ。
さて、本題。逃げたみつばちが新たに選んだ営巣場所は? 実は過去に営巣していた場所が圧倒的に多い。それは石垣の穴窪だったり、老木の室だったり屋根裏だったりするがその共通点は「過去に営巣していた場所」だ。自然営巣の場合「去年営巣していた場所に今年も入った」ということはない。3年くらい前かそれ以前の営巣跡が多い。なぜ1年でなくて2~3年か? スムシがかかわっている。
逃げ残った営巣跡は写真入りで前述したように巣板の残骸があってスムシの繭やふ化した蛾がいて入居できない。だが、蟻やスムシが1~2年をかけて元通りに修復してくれるわけだ。そのあとならふるさとの匂いのいい場所だ、とおもって安心して営巣するわけだ。待ち箱はこのような日本みつばちの習性を利用して、中を清潔にし蜜蝋を塗って故郷の匂いをつけ営巣したくなる環境をつくってセットしておくわけだ。
今日は、嫌われ者のスムシも自然界で役に立っている、という話でした。
2020.3.28 安江三岐彦