2020/03/24 22:11


写真は(昨日の写真の)巣箱蓋の裏にびっしりついたスムシの繭

スムシ即ち巣の中にいる虫、みつばちの巣に忍び込み産卵しふ化した蛾の幼虫をスムシという。蛾の名前はツヅリガ、体長3センチと1センチの大小二種類。蛾はスキあらば巣箱に侵入し産卵しようと年中活動している。それが仕事だから仕方ない。特に6、7、8月はスムシ被害か゛多い。巣板に大量の産卵を許した巣は、4日でふ化し7日で巣を食い荒らし、みつばちは10日で逃去する。たいがい僕たち飼育者はその後に気づく。まだ蜂が少し残っているから復活しないかと期待するのだが、それは本体が逃去した後に生まれた新蜂であってもう復活することはない。あきらめて巣箱の中を点検する頃は、すむしに占領されたおぞましい残骸を目にして嘆くだけだ。スムシに侵された蜜は食用にはしない。まとめて焼却し‥じ・えんど。

対策はある。巣箱を清掃して蛾の幼虫の温床をつくらない、あるいは、巣箱にBT剤など薬剤を塗布して備えるのだが、要は蛾の侵入を許さなければいいのだがミツバチの通う穴なら簡単に入るから始末が悪い。

写真のように繭にくるまって春まで放置することは飼育箱ではない。その前に処分する。その1点で見事にお粗末な写真だ。

ここに至るメカニズム。
里山にセットした待ち箱に昨年の9月ごろ(スズメバチに追われて)入った営巣群は、晩秋に再びスズメバチに襲われて逃去した。スズメバチが食い荒らした巣板は、その後ツヅリガが産卵ふ化したスムシが(巣くずを食料に大きく成長して)すがき、箱の天井裏の隙間に繭をつくって越冬した。山の中の真冬でも楽に冬を越した証拠の写真がこれだ。繭一つ一つに元気なスムシがいた。

この先も放置していたなら、繭の中のスムシは蛾になって外に出る。時期を問わずそれを繰り返す。
続きは 明日だ。  2020.3.26  安江三岐彦