2020/03/09 22:34

今日、和蜜塾の春日井の仲間から届いた写真。巣門を出入りするオス蜂(黒くて大きい) このオス蜂が出入りすると分蜂まじかの兆候だ
分蜂時期になると必ず思い出す。4年前に出版した「僕の日本みつばち飼育記」の冒頭でも書いた一行「あんたらぁ、分蜂、ぶんぽうといっとらず分蜂せん勘考もせなぁ蜜が採れんぞー‥」養蜂家A氏の忠告だった。だがこの忠告は正しくないと判断した。A氏とは本を出した後は縁遠くなったが目指すものが違うから仕方ない。そう、洋蜂と和蜂は目的が違うのだ。「業」とする養蜂は大量の蜜を生産することが目的で巣箱からたくさんの蜜を採ることが重大事になる。一方の我々の和蜜は、はなから、多くの蜜を採ることはできないのだ。だから飼育全体が目的になる。つまり「業」ではなく趣味なのだ。和蜂を主たる業(なりわい)とするプロはいるが和蜂で養蜂家はいない。
その和蜂は様々な事情で定住しない。DMAベースで備わっている*「和蜂の逃去性」(洋蜂の定住性)は人間のコントロールが及ばない領域である。名人になる道には仙人になるより苦しい修行がまっている。*後述
さて、今日は暖かい。20度を越した。巣門を出入りする蜂の数も数段に盛んになってきた。オス蜂も交えて分蜂もどきのホバリングを繰り返して、雨後の暖かい日中に‥そうだ、明後日には吉報が届くかもしれん。 2020.3.10 安江三岐彦